これ以上頂上にいても何も見えなさそうなので、下山しよう。
靄が掛かると同時に風も少し吹いてくるようになり、何よりも気温がグッと下がってきた。
青空の元の鉾を写真に納めたかったけれど、どうやら難しそうだ。
今回はタイミングが悪かったな。
登って来た道を今度は降りていく。
石が多く転がっているので、慎重にいかないと。
と、腕にぽつぽつとした感覚。
これは、、、雨が降ってきたか?
降るというほど雨粒が落ちてきているわけでもないけれど、その内に大雨となるかもしれない。
できるだけ早く降りようか。
この高千穂峰の頂上へ至る、この第四エリアはまだ足場はよい方かも。
こぶしくらいの石はいくつも転がってはいるものの、足を置く場所くらいのスペースはある。
そこを見極めて降りていけば、それほど労なく降りれそうだ。
ただ、傾斜がキツイので膝への負担はなるべく掛からないようにしないと。
女峰山では最後の方は膝がぐにゃぐにゃで、全然踏ん張れなくて苦しんだからね。
傾斜のある坂を下りていく。
途中距離の書いてある道しるべが出てくるのだけど、思ったよりも進んでいないな。
もっと進んでいたと思ったのだけど、期待したスピードは出ていないみたいだ。
10分ほどで、霧島神宮元宮跡まで降りてくることができた。
着くと同時に雨がかなり強く降ってきたな。
強い風と同時に大きな雨粒が顔を打ってくる。
このまま雨が降り続けたらかなりつらいかも。雨と風によって体温がどんどん奪われていく。
馬の背にやってきた。
やばっ。
右側の谷から猛烈な風と雨が吹きあがってくる。
その雨が自分の汗と混じって顎から滴るのだけど、普通は真下に落ちるはずの雫が勢いよく左にすっ飛んでいく。
左側は御鉢だ。
御鉢に向かって雨と汗がビュンビュン吸い込まれていく。
中々珍しい体験だ。ちょっとここで動画でも撮っておこう。
30秒ほど周囲の状況を撮影する。
動画でこの雫の感じ分かるかな?
さて、早く進むか。
風は強いとはいえ、身体が持っていかれるほどではない。
これが台風並みの風速だったらと思うとゾッとするな。そのまま御鉢に放り込まれてしまう画が想像される。
馬の背を下っていくと、次第に雨風が弱くなってきた。
一時的なものだったらしい。
体温が下がったので少し歩きやすくなった。
馬の背を渡り終わり、一枚撮っておく。
ここらかは急峻なガレ場だ。
登りよりも下りの方が注意しないといけないポイント。
おそらく両手を使うことになるだろうから、グローブを装着しよう。
9年前ほど、初めて富士山に登った時に揃えた装備の一つ。
何気にほとんど使ったことはなかったけれど、今回は溶岩が固まったようなトゲトゲした岩が多い。
素手で掴むのは危ないので、このグローブが役に立つだろう。
足を置く場所に石っころがないか注意しながら降りていく。
登りの時は、カップルの女の子がしゃがみながらほとんど進めていなかった場所だ。
ふむ、確かにこれは危なそうだ。
少しのミスが滑落につながり、転がったら止まらないだろう。
ただ、しゃがみながら行くほどではなさそうだ。
足裏の感覚に集中し、慎重に膝を曲げ足首の方から着地の衝撃を吸収してく。
うおっ!
危ない、足を置いた石が転がって、足を取られて自分も転がるところだった。。。
ズラしてしまった石が数m下に転がっていく。
いったん落ち着こう。
一時期の嵐はすっかり過ぎて、綺麗な景色が再び姿を現していた。
よし、行こうか。
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