赤道直下のモロッコは、どの地域も一年を通して温暖。砂漠の方ではむしろ暑いくらいで、涼しい土地はかなり貴重です。そんな中、モロッコの中央を横断するアトラス山脈の麓付近の街・イフレンは、モロッコのスイスと呼ばれる美しい街並みの避暑地になっています。
今回は、モロッコの中でも裕福な方たちが住んだり、別荘を構えるイフレンの街についてご紹介します。
避暑地と言われるゆえん
フェズの南に位置するイフレン。4000m級の山々が連なるアトラス山脈の中腹にあり、山を通って砂漠側へと抜ける街道の要所になっています。また、標高1,665mと高所にあるために、夏が暑いモロッコでは避暑地として人気のあるリゾート地としても人気。
フェズなどの平地の街とは空気が全く異なり、イフレンの街はとても爽やかで夏でも過ごしやすい地。ただ、朝夕と昼間の寒暖差が大きいので、羽織るものなど防寒対策が必要になることもあります。また、冬場はに雪が降るため、スキーリゾートとしても人気のある町です。
ヨーロッパのような美しい街並み
モロッコは現在もスペイン領の飛び地があるなど、元々スペインやフランスの保護領となっていた時代がありました。イフレンの街はその時代面影を残しており、家々はアフリカの四角い屋根ではなく、ヨーロッパ調の三角屋根が立ち並びます。
また、土壁で殺風景なイメージのモロッコの街とは異なり、カラフルで草木に溢れた町の印象を抱かせてくれるほど、美しいと感じる街並みになっています。
街の中心の広場にあるライオン像。この像もフランス領時代に作られたもので、現在はランドマーク的な感じで、観光客のフォトスポットになっています。
広場周辺のお店もまた洋風な造りで、かつ洋食を提供しているレストランが多いです。中にはジェラート屋さんも。公園のベンチでジェラートを食べていると、モロッコではなくイタリアに来た気分になりますね。砂と土の景色から気分一転。モロッコに来たら、旅程のどこかにはさみたい癒しの町です。
イフレン周辺の様子
イフレンの周囲には地中海から湿った空気が流れ込み、背後のアトラス山脈にぶつかることで、いくらかの雨ももたらします。
その為芝生が生い茂るなど、およそモロッコのイメージにとは異なる景色に出会うことができます。その一つが羊の群れ。
まさかモロッコに羊がいるとは思わず、とても印象的な光景でした。
また、冬場は雪が降るほどなので、イフレン付近にはスキー場があります。訪れたのは夏だったのでもちろん雪はありませんでしたが、スキー場のゲレンデらしきものを見つけました。
息抜きに訪れたい町
イフレンの特徴を紹介してきましたが、モロッコとは思えないような癒される町の印象ではなかったでしょうか。
地元モロッコの人にとっては避暑地となり、休暇をゆったり過ごす特別な場所になっています。また観光客にとっても、ホッと一息できる町になるので、旅行の予定に時間を組み込んでぜひ訪れてみてください。
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