15分ほど並んで、ようやくボクらの番。
首から下げるパスをスタッフから受け取り、いざ第3回廊へ。
しかも、第3回廊は想像と異なっていた。
なんと空中、というか大きな尖塔の上に存在するらしい。
なので、急な階段を登っていく。
この階段は後から観光客用に作られた階段だ。
アンコールワットが作られた時代の階段もあるのだが、こちらは使用禁止になっている。
なぜなら角度が急過ぎ、かつ階段の幅も狭いので、階段から落ちて亡くなる方が続出したからだそうだ。
その階段の角度、なんと75度!!
実際その階段を見てみると、想像するだけで恐ろしさを感じる。
これを実際登るとしたら本当に命がけだな。。。
っと、意識を現実に戻そう。
この仮設の階段もかなり急だ。
こっちも踏み外して落ちたりしたら、まず助からないだろう。
それどころか、自分の後ろの人たちを巻き添えにし兼ねない。
慎重に進まないと。
ふぅ、ようやく頂上に到着だ。
頂上は想像の何倍も広い。
少し大きめの部屋くらいのスペースがあるのかと思ったら、しっかり回廊の体となっている。
回廊の欄干から見ると、シェムリアップの街がよく見える。
この第3回廊については、毎月何日か定められている「仏教の日」には立ち入れなくなるそうだ。
そしてお祈りなどが行われるらしい。
今日はこうやって入ることができてラッキーだ。
地平線の上に見える太陽がまぶしいな。
15分ほど掛けて第3回廊を一周回り、階段の位置まで戻って来る。
これ降りる時の方が大変そうだね。
下を見たままの体勢だと恐怖が倍増だ。
うっし、一番下まで到着。
下の広場ではシェさんが待っていてくれた。
ボクが一番最初か。
残りの4人が下に降りてくるのを待つ。
と、目の前の広場では、アプサラを踊っている着飾った方たちとの撮影会が。
1ドルで撮らせてくれるらしい。
ほどなくして4人も降りてきた。
シェさんの先導でさらに先へ。
しばらく進んだ所で休憩だ〜〜。
どうやら今から20分くらい自由時間らしい。
この場で休んでもよし、じっくり見れなかった所をもう一度見てもよし。
それじゃ、まだ見れていなかった所を見に行きますか。
他の4人は、どうやらここでおやすみのようらしい。
一人で第2回廊、第一回廊の方までよく見ながら戻る。
回廊自体の造りは基本同じなので、似たような光景が広がるので、まああっさり行こう。
うん、ひととおり周って満足。
皆の待つところに戻ろう。
皆と合流して遠くの方を見ると雨雲が見える。
そして雷鳴も聞こえ出した。
「今日は夕方からお天気が崩れるっていってましたね」
ぬ。そうなのか。
今日のサンセットまで保ってくれればいいのだけど。
「では、そろそろ行きましょうか」
続いてシェさんに案内されたのは、ヒンドゥー教の叙事詩「マハーバーラタ」が描かれた壁のレリーフだ。
ずっと先まで数百メートルも続いている。
何百、何千という兵士やヴィシュヌ神が細かく描かれており、かなりの歳月を掛けて作られたことが分かる。
一人数メートルずつが担当で、兵士として戦いに行く時は一旦彫刻を中断したのだそうだ。
そのまま帰って来られなかった兵士の担当の部分は未完になっているので、製作した時代の背景がよく分かる。
角を曲がって続いて現れたのは、「天国と地獄」が書かれている回廊だ。
この回廊に到着すると、急に強い湿った風が。
これは雨の前兆の風じゃないか。。。
壁画を見ると、仏と悪魔がヴィシュヌ神を引っ張り合って、いるレリーフが長く続いている。
レリーフは3層になっていて、上部が天国、下部が地獄の図となっている。
地獄の方はけっこう悲惨な図が描かれている。
地獄行きの審判を受けた人が、あらゆる刑罰で裁かれている図だ。
ある者は手足を引き裂かれたり、ある者は下を巨大なペンチで抜かれ、ある者は焼かれるなど、日本にも似たような話があるがそんな感じだ。
この2種類のレリーフで思ったのは、日本の神話との共通性がとても高いことだ。
日本の神話でもイザナギ・イザナミの2神が逆鉾で海をかき混ぜ、引き抜いて滴り落ちた雫が日本を形作ったと言われている。
ホント日本誕生の神話とまったく同じだね。
これは日本やカンボジアだけでなく、おそらく世界中に共通する物語だと思う。
ほんと世界は不思議だ。
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