バリ島の中部、観光地ウブドから車で15分ほどの場所に、とても不思議な遺跡が存在します。ゴア・ガジャと呼ばれる遺跡は、11世紀に建てられたと伝わりますが、寺院でもなく何のための施設であったのか、今でも謎に満ちています。
『象の洞窟』を意味するゴア・ガジャ。今回は謎に包まれた遺跡をご紹介します。
ゴア・ガジャの入り口
・遺跡前のお土産屋さん
ゴア・ガジャも他の観光地同様、遺跡前には雑貨などを取り扱うお土産屋さんが多く軒を連ねています。露店のお土産屋さんにはあまり興味が惹かれなかったので、詳しくは見ていませんが、シャツなどの衣類や、バリらしい木彫りの雑貨を置いているお店が多数ありました。
・深い穴の下の遺跡
ゴア・ガジャが建てられたのは11世紀になりますが、発見されたのは1920年。周りの土地よりもかなり低い場所で見つかりました。お土産屋さんの並ぶ場所から遺跡に向かうまで、数十メートルも深く下っていきます。
なぜ神聖な場所を、周囲よりも低い位置に作ったのか?ゴア・ガジャの不思議の一つです。
バリっぽくない雰囲気の遺跡内
・沐浴場
階段を降りきると、まず最初に現れるのは沐浴場。ティルタ・ウンプル寺院の沐浴場は広いプールのような造りとなっていましたが、ゴア・ガジャはコンパクト。そして、さらに低い位置に下ると水浴び場があります。
天女が持つ壺から清めの水が流れており、頭からかぶって沐浴を行うようです。現在は無断で入ることは許されていないのか、水浴びをしている外国人観光客に向かって、コーディネーターの方は「出なさい」と注意している場面が見られました。ゴア・ガジャでの無断での沐浴には要注意です。
・象をかたどった洞窟への入り口
沐浴場の先に見えるのが、ゴア・ガジャ最大の見どころ。象をかたどった洞窟への入り口になります。(ボクは象ではなく、人に見えますが)この奇妙なデザインの入り口。バリ島の他の場所では見られないデザインが不思議です。
入り口の大きさは、人ひとりがかがんで入ることのできるくらいの大きさです。
・洞窟内
洞窟内は涼しいのかと思いきや、けっこう蒸しています。湿度の差によって、カメラのレンズも曇ってしまいました。内部の造りは10mほどまっすぐに通路が伸びており、突き当りは左右に分かれている丁字路。
※レンズが曇り撮影ができなかったため、使える写真がありませんでした。。。
それぞれの通路の先には、三位一体の神様が祀られている小さな窪みがあります。窪みにはお供え物がされており、昔も同じように人々が訪れ、お祈りを捧げていたのでしょうか。
ともあれ、この遺跡は他のスポットとは異なり、バリヒンドゥー特有の雰囲気は感じませんでした。もっと古い原初の信仰が息づいるようです。
・巨大なガジュマルの木
最後の見どころは、遺跡内でひと際強い存在感を放つガジュマルの木。
この木がとても高く、天を衝くようにそびえており、とても強いパワーを感じるんですよね。ゴア・ガジャがパワースポットと呼ばれる所以は、このガジュマルの木にもあるのではないでしょうか。
バリ島の中で異を放つ存在の遺跡
洞窟をはじめ、遺跡の役割などがいまだに解明されていないゴア・ガジャ。沐浴場はバリヒンドゥー寺院と共通点ではありますが、その様式は異なっています。また遺跡内の彫刻や装飾を見ても、ヒンドゥー教とは共通点が見いだせないものばかり。
異彩を放つ不思議な遺跡、訪れてぜひ感じてみてください。
[ゴア・ガジャの情報]
住所:Ubud, Bali, インドネシア
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