長野県と岐阜県の県境にある乗鞍岳。16もの峰々が集中しているこの地帯には、登山の醍醐味が数多く体験できます。
雲海の彼方から顔を覗かせるご来光や天空の絶景など、山ならではの景色が目白押し。
今回はフォトジェニックな写真の撮れるポイントの紹介も交えて、乗鞍岳の魅力をお伝えします。
夏でもスキー?乗鞍の残雪
乗鞍岳は5月でも至る所に雪が残り、道の両脇にうず高く積もる雪は春の風物詩になっています。登山が適した季節は、7月から11月。ただし、8上旬でも一部雪が残っている箇所があります。大雪渓と呼ばれるエリアは天然のゲレンデ。夏だというのにこの場所でスキーを楽しむ方もいます。
ペンションや山荘の集まる松本市・乗鞍高原から専用バスで1時間。標高2702mの畳平が登山のスタート地点になります。
ご来光の時間帯のバスは、富士見岳、大黒岳の間にある県境ゲートで降車可能。ご来光鑑賞スポットまで、近道でたどり着けます。
雲間から現れる美しすぎるご来光
言葉が出なくなるほどの絶景とはこのこと。夜がゆっくりと明けていき、冷えた頬に太陽の暖かみを感じる瞬間は何とも言えない瞬間。心も一緒にじんわりと温かくなってくる経験は、中々できない貴重なものではないでしょうか。
また、ご来光のおすすめ撮影ポイントは富士見岳山頂。朝日が顔を覗かせる瞬間もバッチリ撮影可能です。
富士見岳山頂からは、靄に隠れどこまでも続く山々の姿を望むことができます。
オレンジ色の光が、だんだんと白く輝いてく移り変わりも普段見られない光景。一瞬一瞬同じ瞬間はないのだと改めて感じます。
夏場でも氷が残る 不消ヶ池
ご来光鑑賞ポイントの富士見岳から太陽の上る方角と逆の方を振り返ると、不消ヶ池(きえずがいけ)と呼ばれる大きな池が眼下に見えます。
夏でもまだ氷を一部に残し、池に逆さに映る天文台が美しくて風情を感じます。
また、朝日が低い位置に浮かぶタイミングでは、摩利支天岳の斜面が赤々と照らされまるで燃えているよう。
こちらの景色も一瞬事に色が変わるため、同じ瞬間を写真におさめることが難しい景色です。
天空に浮かぶ 五ノ池・権現池
大雪渓を左手に見つつ、乗鞍岳で一番標高の高い剣ヶ峰登山へ。剣ヶ峰を目指すことでしか見られない絶景をご紹介します。
剣ヶ峰口から先を見上げると、右から朝日岳、蚕玉岳、剣ヶ峰と3つの山が兄弟のように連なる綺麗な姿。目指す剣ヶ峰がとても遠く感じますが、足を前に出せば時間は掛かろうとも必ず辿り着けますよ。
朝日岳を上り始めてから、最初に見えてくるのが五ノ池。山肌の窪みに水が溜まり、小さな五つの池が集まっているように見えます。
この辺りが息も上がり登山で一番きついポイント。美しい山並みで心を癒しながら、焦らずゆっくり進んで行きましょう。
朝日岳の尾根をさらに先に進むと、蚕玉岳の頂上がすぐに現れます。この頂上の右手に見えるのが権現池。不消ヶ池につぐ大きな池になり、天空に浮かんでいるようでとても感動の景色が見られます。
山頂まであと少し!どんな景色が広がっているのか楽しみで、自然と足も軽くなってきます。
苦しさの果てに到達 乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰
2700mの畳平から登ること高低差300m以上。2つの山を越え、約1時間半の登山を制した者に与えられるご褒美。それがこの高度でしか見られない頂上からの絶景です。
標高3000m級の山なので酸素も薄く、10歩ほど登るだけで息切れてしまうほど厳しい環境なので、登頂した時の感動もひとしお。360°開けているので、どの景色を切り取ってもフォトジェニックな写真が撮れますよ。
頂上には乗鞍本宮の本殿が鎮座しています。小さい祠があるので、登山の無事を感謝してみてはいかがでしょうか。
ご来光から頂上まで最高の絶景つづき
乗鞍岳の絶景の数々、いかがでしたでしょうか。登山は険しいですが、ご来光や頂上の景色と様々な山の表情は格別です。
そして時間や季節と共にその姿が変わっていくので、数分前の写真と雰囲気の違った風景がフレームに映し出されることに感動。絶景を味わうため、ぜひ乗鞍岳まで足を運んで見てください!
[乗鞍岳へのアクセス基本情報]
マイカー:
中央自動車道で岡谷JCTから長野自動車道へ入り松本ICで降りる→国道158号線で上高地方面へ→前川渡大橋を左折して乗鞍高原へ→松本ICより約1時間。
電車:
東京方面からは特急あずさを利用・名古屋方面からは特急しなのを利用・大阪方面からは新幹線で名古屋まで行き、特急しなのを利用→中央線松本駅下車→松本電鉄乗換えで、新島々まで行き、バスに乗り換えて乗鞍高原へ
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