伊佐さんと別れ、ジュラバ(ボクが買ったのは正確にはガンドーラと言うらしい)の入った袋を片手に、さらに上っていく。
どこに何があるのか分からないけど、とにかく上へ上へ。
だいぶ上って来たからか、この辺には観光客がほとんどいない。
すれ違うのは、地元の人ばかりだ。
しかし、道が複雑すぎて、よく行き止まりにぶち当たる。
その先で、地元の人に会うと、何か気まずいよね。
ボクが不法侵入しているみたいだ。
だいぶ上ってきたが、これといったスポットがない。
ただ家々の壁が青いだけだ。
収穫はあまりないな。
ホテルに戻ろう。
元来た道を、憶えている限り辿って行くが、いつの間にか全然知らない道に入っている。
曲がる方向を間違えたかな。
戻るべき方向は何となく分かるし、このまま行ってみよう。
知らない土地で、一人。
ちょっと心許ないけど、探検気分で面白いな。
街を下りていくと、だんだんと観光客の姿が増えてくる。
この辺りは見た景色だ。
あとは勝手知ったるシャフシャウエンの街。ホテルまで労せずに戻る。
ふぅ。かなり歩いたぞ。
距離もあったし、アップダウンがきつかったから、足が若干だるい。
まあ、女峰山の登山に比べたら、なんてことないけど。
サンセットへの出発まで、まだ1時間近くある。
少し屋上テラスに出て、撮影。
あとは集合時間まで、シャワーを浴びてすっきりしよう。
朝と同じく、中々お湯のでないシャワーに苦戦。
思ったよりも時間が掛かってしまった。
可能な限りタオルで頭を乾かして、あとは自然乾燥!
18時少し前。
皆がホテルのロビーに集合する。
ここまで成田空港集合以外、全然時間通りにいかなかったメンツだけど、さすがにこれは時間通りに集まったか。
「それじゃ、行きましょー」
伊佐さんの合図で、動き出す。
目指すはスパニッシュモスク、と呼ばれるモスクらしい。
ハマム広場を通り過ぎ、さらに先へ、街の東側の方へと進んで行く。
場所がはっきりとは分からないのだが、ホテルの可愛いお姉さんによると、歩いて2,30分は掛かるらしい。
15分くらい歩いただろうか。
少し開けた場所に到達する。と、はるか右手に、目的地っぽいモスクの塔が見える。
「えー、アレ?遠くない?しかも、めっちゃ登る」
一見遠くに見えるが、歩いて15分くらいは掛かりそうだな。
登り道には、同じくサンセット目的の人たちが、ぽつぽつと先を歩いている。
道はほとんど未舗装。砂利と土で歩きにくい。
女子にはきついかもな。
道中素晴らしい景色が見える中、15分ほど登ったか。
ようやくサンセットのポイントに到着!
すでに多くの観光客が、街とサンセットが良く見える場所を確保している。
中には三脚を立てて撮影している人も。タイムラプスでも撮っているのだろうか。
現在時刻は、18:40。
ホテルから50分近く掛けて、サンセットポイントに到着だ。
日が沈む方角に山がある。
たしか、日の入りの予定は19時前だと思うけど、その山の裏にもう隠れそうだ。
人が多い。
よく撮影できるポイントを探さないと。
山の斜面とモスクの敷地を隔てる壁に、座る人。
その壁の向こう側を覗くと、下になんとか立てるスペースを発見!
大回りして壁の向こう側に回る。
何人かの人が既に陣取っているので、その横に一人座る。
あぁ、ここいいなあ。
山の稜線に、オレンジ色の眩い光を放つ夕日が、少しずつ隠れていく。
時間にして数分かな。
あっという間に、太陽が落ちてしまった。
空はまだ幾分明るいけど、眼下に見えるシャフシャウエンの街が、徐々に徐々に陰に覆われていく。
これ、ずっと見ていられる。
何よりも、こんなに空が晴れているのが素晴らしい。
シャフシャウエンは、快晴率はそれほど高くないらしいのだけど、めちゃくちゃ運がいい。
皆の普段の行いがいいのかな。
一人で十分サンセットを堪能した。
皆のもとに戻るかな。
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