30分ほど落ちてたかな。
外の景色が、少し変化したようだ。
峡谷に近づいているのだろう。
相変わらず荒涼としているけど、山や谷が多くなってきた。
そして、ポツポツ家らしきものも、見えてくる。
数分進んだところで、街に入ったようだ。
やはり街に入ると、急に民家が増える。
改めて、日本は若干おかしいのでは?と思う。
山の中やよっぽどの田舎でない限り、民家が数キロも途切れることなんてないもんな。
街の区切りもはっきり目に見える形では分からない。せいぜい看板があるくらいだ。
さて、谷の底の方を見ると、この辺りはかなり緑が生い茂っているのが分かる。
川の姿は見えないけど、水が流れている証拠だ。
そして、街中を走っているバスが右折する。
普通の道路から、急に渓谷の谷間に入り込んだような景色だ。
道の両側は、切り立った崖。迫力がすごい。
少し進むと、バスが停車。
どうやらここで降りるらしい。
っと、ちょっと体が重いかな。
頭もあまり働いていない感じがする。
外に出ると、今日も強い日差しが照り付けてくる。
しかし、すごい光景だ。
道の脇には小さな川が流れており、そのすぐ脇は高い岩の壁。
絶壁に挟まれたような気分だ。
と、急にアッサンがしゃがみ、道の脇に流れている水を手ですくう。
え?!まさか飲むの??
「Uum,good!」
アッサンが美味しそうな顔で、親指を立てる。
。。。そうですか。
さすがに道の脇に流れているのは飲まないけど、どんなものか触れておこうかな。
冷たっ。
けっこうキンキン。アトラス山脈の方から流れてきているのかな。
確かに美味しいとは思うけど、ちゃんと浄水処理されていないとこれは不安すぎる。。。
さらに進んで行くと、道の脇に露店が。
おわ、ひろしが値段交渉に入った。
フェズで納得のいくものが見つけられなくて、ずっと探してたからなぁ。
アッサンが先にどんどん進んでしまうので、とりあえず付いていくか。
ひろしも適当なところで来るでしょ。
数十メートル進んだところで、ストップ。
アッサンもひろしと、他数名が来ていないことに気づいたようだ。
とりあえず待つか。
その間に写真を撮っておこう。
カメラを上げてシャッターを押すが、中々いい画が撮れない。
この峡谷が広すぎて、納まりきらないんだよなぁ。
この迫力ある壁の迫るような感じを、いまいち表現し切れていない。
ぐぅ、難しすぎる。。。
広角レンズで、下からのあおりで納めたほうがよかったかも。
まだまだカメラの技術は未熟だな。
しばらくして、ようやく後続組が追い付いてきた。
アッサンが、この場所で日本人のクライマーが練習していることもある、という情報を教えてくれる。
ほー。
で?それだけか?
そんなことを教えてくれつつ、来た道を戻る。
え?
トドラ峡谷はこれで終わり?!
モロッコのグランドキャニオンと呼ばれる地だ。
もっと上の方に登って、峡谷を見られるところに行くものだと思って楽しみにしてたんだけど。
うーん、見たかったのはこれじゃないんだよなぁ。
結局、バスにまた乗り、峡谷から離れる。
これはかなり不満だ。
トドラ峡谷のハイライトは、絶対にこんな所じゃないハズなのに。。。
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