Travel Diary

日本 北海道 出航、そして遠方にクジラを発見!

乗船し甲板の2階部分にやってきたけれど、雨が上がる気配がない。。。
じっとしていると、借りたカッパを伝って雨がズボンにしみ込んでくる箇所が出てくる。

寒いなぁ。
動き出したら、もっとツラいぞこれ。

位置取りは乗船順なので、早めに乗った弊害が出てくる。

30分ほど甲板上で待ち、いよいよ出航だ。
護岸では海鳥が群れを成して羽を休めている。

「ではこれから沖にでますね。先導している船が2隻あるので、この船は3隻目、全部で4隻で向かいます」
ほぉ、先導する船なんて用意してくれているんだ。

この中規模の船に50人くらいが乗っているとはいえ、けっこうコストのかかったクルーズなんだね。

スタッフさんのアナウンスと共に、船がゆっくり発進する。

出航してから約10分。
特に変わり映えのしない景色が続く。

天気が悪いので、沖の方は灰色に濁っているように見える。
海上には特に生物らしきものは見えないかな。

「前方右側見えますか?イルカ、これはイシイルカといいます。体長2mほどの小さなもので、このイルカはジャンプとかはしません」そうか、普段イルカショーなどで見るイルカとは、種類が違うんだね。

海上を走る船の前方で、イルカの背中の一部が少し見えたり隠れたりする。
息継ぎをするために、ちょこちょこと水面に背中を出すみたいだ。

最初は3,4頭くらいしか見えなかったものが、10頭近くの影が見えるようになる。

「私たちはイルカが見えて嬉しいですけど、イルカにとっては朝起こされたようなものなので、堪らないもんですよ」
それを言っちゃあおしまいよ、と思うのだけど、たしかにその通りだね。

やがてイルカが船から遠ざかっていく。

「では、このままクジラの見える沖まで進んでいきますね」
「この羅臼では、マッコウクジラが世界で一番見られる場所と言われています。大体400頭が生息していますね。2008年からは長崎大学がここ羅臼で生態調査をしています」

なるほど。
こんな狭い海域に400頭も生息しているのか。

この羅臼、ひいては知床半島は、ロシアが実効支配する北方領土の国後島がすぐ目の前だ。
なんと16kmほどしか離れていないそう。晴れた日には、羅臼から肉眼で島が見えるらしい。
今日はあいにくの天気なのだが、うっすらと島影が海の彼方に見える。

そんな目と鼻の先に、ロシアがあるなんて実感がわかないなぁ。

何も発見することなく、船は進んで行く。

「先導船から、クジラを発見したと連絡があったので、今からそちらに向かいますね」
お、クジラを見られるか。

船がスピードを上げると同時に、雨が前から叩きつけるような感じになってくる。
目を開けてられない。

「前方見えましたか?水平線の方を見てください。サッと白い筋が上がるのが見えると思います。あれがクジラの潮ですね」

おぉ!、、おぉ?

小さい。
クジラがかなり遠くなので、潮と言われても飛沫がほんの点にしか見えないよ。
だんだん近づいて行っているようだけど、中々難しいようだ。

「クジラは大体10分弱水面で呼吸してますが、息を整えるとまた潜ります。いったん潜ると40分くらいは出てこないですよ」

まじか。
だとしたら、早くクジラに追いつかないと、またしばらく見られなくなるのか。

船も一生懸命追っているようだけど、少ししか近くに寄っていない。

「クジラが向かっている方角がよくないですね。この先はロシア側の海域なので、近寄れなくなってしまいます」
「あー、ダメですね、これ以上は近くにいけないです」

マジかぁ。

一応写真に潮は撮れたけど、望遠にしても小さすぎて何が何だか分からないや。
もっと近くで見たいなぁ。

いつの間にか雨は止んでいて、船がクジラを探しに再び動き出した。

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