Travel Diary

日本 北海道 絶壁を登る野生の親子熊に遭遇

ちょっと残念な子熊の様子を観察し、船は岸壁に沿ってさらに進んで行く。

岸壁は何物も寄せ付けない感じで、やはり険しい。

と、断崖絶壁の中にあって、突然開けた場所に船が出る。

「ここはルシャ湾といって、ヒグマが多く生息する地域になります。なのでヒグマの目撃もここが多いんですが、、、今日は見えませんねぇ」

マジか。
このルシャ湾付近は、知床半島全体のクマのうち半数以上が生息しているらしい。

知床峠よりも北側は山々が険しく、一般車の入れる道もない。
そのためほとんど手つかずの自然が残されており、ヒグマも開けたこの辺りに自然と集まってくるのだろう。

「あっ、遠くの方に1頭歩いているクマが見えますね」
どこだっ?!

遠くを見ると、確かに1頭のクマの姿。
橋の付近を悠々と歩いている。

大人のクマだが、遠すぎて小さく見える。
あー、物陰に隠れていく。。。

すぐにクマの姿は見えなくなってしまった。

さらに船が進んで行く。
「そろそろ風が吹き降ろしてくる場所になるので、皆さん特に帽子なんかは飛ばされないように気を付けてくださいね」

と言い終わるや否や、斜め前から強風が顔面に吹き付けてくる。
うお、これはすごい。

船も真横から風を受けないように、岸に対してなるべく水平にならないように角度をつけている。

強風の吹き荒れる渓谷部を過ぎるまで数分。
ようやく風が収まってきた。

はぁ、すごかった。
昔はこの辺りで船の転覆なども、まあまああったみたいだ。
それほど危険な場所なので、波が高くなくても風の強い日は欠航になることもあるらしい。

船はさらに進んで行く。

「あ、またクマがいましたね。今度は親子じゃないでしょうか」

本当だ!
親子のクマ。母熊が大きいのが一目で分かる。
そして子熊は2頭、いや3頭か。

斜面を登っているのだけど、クマの周りを黒いものが飛び回っていて撮影に邪魔だ。

「周りを飛んでいるのはカラスです。クマのおこぼれを狙いに集まっているんでしょうね」

なるほど。
サケを獲ったクマの食べ残しをあさりに来たわけか。
ということは、獲物を獲ったあとということだね。

クマの親子は草の生えた崖を登っていき、上部の林の方へと移動していく。

やがて藪の中へと姿を隠してしまった。

船が再び動き出す。
岸壁にはいろいろな自然の造形物が。

観音岩、と呼ばれているらしいのだけど、確かに観音様に見える。
あの辺りだけ岩がやけに白くて、何か作り物っぽい感じだね。

お、またクマ発見!

子熊だろうか。
少し小さめのクマが岸から山側に向かって走っていくのが見える。

けっこう急こう配な斜面を難なく登っていくので、やはりクマの筋肉は相当なものだろう。

こんな風に船の上からクマの野生の姿を見られるのは、とても興奮する体験だ。
普段見られないものを見ることができて、本当に興味深い体験ができている。

まだクルーズの最終目的地はこの先だ。
この半島の先には、どんな光景がまだ見られるのだろうか。

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