マラケシュを出発して一時間半ほど。
ハイウェイの休憩所にバスが停まる。
モロッコのPAは、コンビニのようなお店とガソリンスタンドが、セットになっていることが多いようだ。
コンビニにはカフェスペースと、お菓子や飲みものなどが売っている売店スペースが一緒にある。
初日はヨーグルトドリンクを買ったっけ。
日本円で60円くらいだったので、安くて思わず買ってしまった。
今日は最終日だからねー、やっぱりコレでしょ。
POMS!
お、みーもPOMS選んだ?モロッコの思い出の味だよね。
POMはアラビア語でリンゴのこと。Sはサイダーで、POMSはアップルサイダーだ。
フェズで初めてこれに出会って、以降ランチの時とか、ちょいちょい飲んでたよね。
他の皆も、それぞれ何か買っている。
お、猫ちゃん。
休憩所を自由に歩き回り、皆のアイドルになっていて可愛がられている。
ま、当の本人はどこ吹く風で寝転がっているけど。
カフェスペースで少しゆっくりして、最後のドライブへ。
カサブランカは海に面している街なので、湿度がほどほどある。
なので、雨もたまに降っているのか、道の脇に緑がちらほら見え始めてきた。
いよいよモロッコの最終地点に近づいてきたんだなぁ。
と思っているうちに、バスがハイウェイを降りていく。
窓からは空港らしき建物が見える。
「みなさーん、お疲れ様でしたー。カサブランカ空港に着きましたよー」
『はーい』
皆の返事が残念そうな雰囲気を含んでいるのは、ボクの気のせいではないはずだ。
忘れ物が無いように確認し、バスを降りる。
うっ、やっぱりモロッコは暑いな。直射日光が痛い。
スーツケースを受け取り、一人一人イッサンとハグをして別れを惜しむ。
8日間、本当にありがとう。運転ずっとしてくれて、感謝しているよ。
さよならイッサン!
イッサンとお別れし、空港内へ。
フィリピンもそうだったけど、空港に入る前のセキュリティチェックを通る。
簡単な手荷物の検査だ。
ゲートを通り抜け、まずは両替えだね。
モロッコディルハムは、日本では直接日本円との両替えができない。
なので、直両替えをしたければ、ここで換えるしかないのだ。
いくつか両替所があるので、きっちゃん、ぷか、ひろしとボクで周る。
む、モロッコに到着した時は直両替えができたけど、今回は直両替えできる所が中々ない。。。
え?あっちに日本円と直両替えできる所があるって?
それじゃ、あっちに行こう。
望みをかけて、一番奥まった所にある両替所へ。
どう?両替えできそう?
「うーん、日本円に換算して1万円以上のMDHがないとダメみたい・・・」
そうなんだ。。。皆の分を足しても1万円には届かないよね。
しょうがない、直両替えは諦めようか。
一旦はここでMDH→US$に換えておこう。US$→日本円は日本に帰ってきてからでよいか。
きっちゃんがまとめてUS$に換えて、持っていてくれるようだ。
日本で会った時に渡してくれるみたい。
レンタルWifiも返却してくれたみたいで、チェックイン前にやることは終わったかな。
それじゃ、行こうか。
2階に上がり、チェックインを済ませる。
進んだ先のイミグレーションは、長蛇の列だ。
搭乗時間が迫っているので、時間に間に合うか心配だ。
こういう時、自分が並んでいるのとは他の列の方が進みが早いと、余計にイライラしてくるよね。
後から並んだ方が先に進むなんて、ちょっとズルいなぁって思ってしまう。
今日ボクが並んだ列は、特に遅い進み具合だ。
職員の方がかなり真面目なのだろう。一人一人のパスポートの確認に時間が掛かっているみたいだ。
マズい、、、皆からも遅れている。
後から並んだメンバーが、先にイミグレを抜けるとちょっと焦るな。
40分ほどかけて、やっとイミグレを通過。
もう搭乗が始まっている時間だ。
結局メンバーの中ではボクが一番最後だったみたい。
飛行機が駐機しているゲートの方へ向かうと、皆が待っていた。
お待たせー。
「まだ搭乗始まってないから大丈夫だよー」
搭乗時間を過ぎているが、まだ乗れないらしい。
15分ほどして、ようやく搭乗開始。
優先搭乗の人から乗って行き、最後にエコノミークラスのボクら。
いよいよ、モロッコの地と完全にお別れだ。
次は、いつこの地を踏むか分からない。
ひょっとしたら、生きている間に、モロッコには来ないことも充分にあり得る。
この国で過ごした8日は、全力で楽しめて本当に良かった。
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