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『神々が宿る島』とも称されるバリ島。バリ島南部はビーチリゾート化してしまっていますが、南部以外の場所では田舎の原風景が残っている場所も少なくありません。

その居心地の良さから、アジア・オセアニアからの観光客はもちろん、日本人にとっては移住先としても人気を博しています。本記事ではそんなバリ島の中でも、神々しいサンセットが見られるタナロット寺院について紹介します。

割れ門

国民の9割近くがイスラム教徒のインドネシアにあって、バリ島は8割ほどがヒンドゥー教徒。そして、バリヒンドゥーと呼ばれる独自の信仰があり、その事実一つを取ってみてもバリ島の特殊さが表れています。

バリ島内にはヒンドゥー教寺院が数多くあり、敬虔なヒンドゥー教徒に支えられて、多くの人が毎日お祈りを捧げに足を運んでいます。

そのヒンドゥーの寺院の特徴の一つが、寺院入り口に建てられている「割れ門」と呼ばれる門。真ん中は人が出入りする箇所なので通路が設けられているのは他の宗教の寺院と同じですが、門が中心部に向かって高くなる構造となっているところがポイントです。

この割れ門はバリヒンドゥー独特のもので、バリの北東部に聳える霊峰アグン山を現していると言われています。アグン山を中心とした、バリの人々の信仰心の結束を感じますね。

寺院

・海に突き出た寺院の姿

タナロット寺院は海の神様を祀っており、バリ寺院の中でも珍しく海に浮かぶような形で建立されました。写真は干潮時のもので、潮が引いて浮き出た岩礁の上に建つタナロット寺院が伺えます。

・干潮時には寺院の近くまで

干潮の時には寺院の麓まで歩いて近づくことができます。寺院の建っている場所までは岩場が続き、濡れて滑りやすくなっているので注意が必要。また波打ち際は波が高くなることもあるので、呑まれないよう注意しましょう。

寺院の下の岩の窪みでは、バリヒンドゥー独特の洗礼の様なものを行っています。額に聖水で濡らしたお米をつけ、顔全体に聖水の雫をパッパッとかけられます。最後に耳に花飾りをつけられて完了。

これは汚れを祓うためのもので、寺院に近づくために必要な儀式になっています。とても神聖なタナロット寺院。教徒以外はむやみに立ち入ることが許されていおらず、この浄化の儀式を行っても、岩を数メートル登ることしかできないようになっています。

岩を少し上ると、爽やかな景色が。寺院まで登れないことが少し残念です。

※満潮時には正に海に浮かぶ寺院の幻想的な姿を見ることができます。ただし寺院の近くには行けなくなるので一長一短ですね。

ここにしかない夕景

・タナロット寺院

タナロット寺院の一番の絶景は、夕陽に浮かぶ寺院の姿でしょう。干潮時には下まで降りられるので、夕陽をバックにしたタナロット寺院のシルエットが見られます。
このカットは地元のコーディネーターさんに、いい写真の撮れるポイントを教えてもらって撮れた一枚。中々印象的な一枚になったかと思います。

・バトゥボロン寺院

タナロット寺院から徒歩で3分ほど。同じ海岸線沿いには、バトゥボロン寺院というお寺もあります。こちらの寺院もまた、マジックアワーにはとても印象的な夕景が見られるスポット。

崖の中腹には丸い穴が空いており、自然が作り出す絶妙な風景は、ここでしか見られないものです。

また夕景鑑賞ポイントの崖の下はコウモリの住処となっており、日が落ちきる30分ほど前から一斉に飛び立つ姿が見られます。ちょっと不気味な光景ですが、これもまたバトゥボロン寺院ならでは。圧倒されるのは間違いないので、気持ち悪くもありましたが楽しめました。

夜 – 迫力のケチャダンス

タナロット寺院からバトゥボロン寺院の方へ歩いていくと、ケチャダンスの会場が見えてきます。ケチャダンスとはバリ3大舞踊の一つで、ヒンドゥー教の神話『ラーマーヤナ』を元にしたストーリーを踊りで表現したものです。

バリ島の中では、ウルワツ寺院がケチャダンスをもっとも盛大に行っている場所になりますが、ここタナロット寺院でも鑑賞することができます。

火を中心に数十人の上半身裸の男たちが輪をつくり、「チャッ、チャッ、チャッ」と独特なリズムと掛け声で、会場全体が震えるようなダンスを披露する姿が圧巻！踊りを鑑賞しているこちら側にまでその熱が伝わってきて、手に汗握る迫力を間近で感じることができます。

バリに訪れたなら、必ず立ち寄りたいタナロット寺院

神秘的な寺院の立地、ケチャダンスなど、見どころが多いタナロット寺院、いかがでしたでしょうか。
バリ島南部の観光の中心地からは車で1時間強と少し離れていますが、必ず訪れたいスポットの一つと感じていただけたかと思います。

そして、タナロット寺院の観光は夕方の日没前1時間前からがベストな時間帯。夕方は付近の道路が渋滞するので、サンセットを見たい場合は、時間に注意して向かいましょう。日本語の話せるガイドが一緒のチャーターがとても便利ですよ。

それでは、よいバリ観光を！

[タナロット寺院の情報]
住所：Beraban, Kediri, Tabanan Regency, Bali 82121 インドネシア