おはよう。旅の3日目だ。
今日も神社巡りは続く。
まずは朝の温泉だ。
この宿の温泉はけっこう熱めなので、一気に目が覚めるな。
温泉から出たあとは、天気予報を見ながら朝ごはん。
天気はやっぱり夕方くらいまで雨の予報だ。
確かに障子越しだけど外が少し暗いもんね。
うし、準備も整ったし出発しよう!
チェックアウトし、車に乗り込む。
この玉造温泉での宿泊は、実はまた明後日からする予定。
今度は別の宿なので、この宿とはお別れだ。
今日最初に向かうのは布須神社。
八岐大蛇伝説で、スサノオが大蛇退治のためにお酒を作った山の麓に建てられた、というお話しだ。
温泉街からさらに山の方、南へ向かって車を走らせる。
雨予報だったのに、意外に曇り。ちょっと青空も出ている。
そして田畑の広がる山の中、細い道を何回も右折、左折していく。
あった。
どうやらここが布須神社の入り口らしい。
奥に遅い上り道が続いているけれど、車で行けそうだ。
右折して細い道に入ると、前方に軽トラが停まっている。
これはすれ違って通り抜けることができないな。
バックして戻るか。
ガガガッ!
ん?これは、ヤバイッ!
すぐに音の正体と自体を理解して、一瞬で自分の血の気が引くのが分かった。
バックギアからドライブに入れ直す。
ガガガガッ!!
ダメだ、やっちまったよ。。。
左前輪の脱輪。
はぁ、雑草が生い茂っていて溝に気づかなかった。
人生初の脱輪だよ。
どうしよ、こんな人っこの全くいない場所で。
めっちゃ落ち込むわ。
状況を確認しよう。
車を降りて前輪を見にいく。
前からだと雑草と溝でよく見えないな。
後ろに回ろう。
、、、あ〜、左前輪が見事に側溝にハマっている。
バンパーのある位置なので、タイヤの半分以上はハマっているので、無理に出そうとするのも難しいかも。
これは助けを呼ぼう。
すぐにJAFを連想するけれど、前方の軽トラの方を見ると作業をしている老夫婦が。
「ハマったんけぇ?」
はい!ハマってしまいました!
大声で返す。
すると老夫婦が来てくれて、状況を見てくれる。
「あー、こりゃダメだな。無理に動かさない方がいいな」
そうですよねぇ。。。
「ちょっと待ってな。板取ってきてそれで試しみるか」
そう言って軽トラに乗って道を降りて行ってしまう。
はぁぁぁぁ。
改めて深いため息。自分の黒ズボンを改めて見てみると、真っ白になっている。
雑草についていた何かっぽい。農薬かな?
てかこのあとどうするか?おじいさん達の板でも抜けなかったら、JAF呼ぼう。
と、1台の軽トラが通りかかる。
運転手のおじいさんとチラッと目が合っただけだけど、何かを察してくれたらしい。
少し行ったところで停まって、降りてきれくれた。
「どうしたー?ハマったんかい?」
はい、ハマってしまいました。。。今助けを呼んでまして、おじいさんが板を持ってきてくれることになっているんです。
なんて話しをしていると、さっきの老夫婦が帰ってきてくれた。
「おーう、何かハマったみたいなんやて」
「そうそう、今板を持ってきたんよ」
どうやら老夫婦とあとでやってきたおじいさんは知り合いらしい。
さすが集落だ。
老夫婦が持ってきた角材を側溝に敷いていく。
全部で5本くらいか。
タイヤが浮いているので、側溝の底に角材を敷いて噛ませるみたいだ。
そして、後からやってきたおじいさんの方は、軽トラとボクのレンタカーを牽引できる縄で結んでいく。
「こういうのは経験やからなぁ」
なるほど、けっこう慣れた手つきなのはそのためか。
「それじゃ兄ちゃん、運転席乗ってハンドルを左に切りながらバックだな」
はい、分かりました。
運転席に乗り、急に発車しないように軽めにアクセルを入れてバックする。
ガギギギギ!
嫌な音が響くけれど、車大丈夫かな?
と、すぐに車が何かを乗り越えたような感触。
お?抜けた??
おっしゃー!
すいません、本当にありがとうございました!
車を降りて、老夫婦と後からきたおじいさんにお礼を言う。
「あぁ、よかったよかった」
本当によかった。感謝の言葉だけじゃ足りないよ。
この上の神社に行くんですけど、車で行けますか?
「途中まで行けるよ。途中でターンできるスペースがあるんで、そこまでだな」
はい、ありがとうございます。
「気をつけてな」
老夫婦たちと別れて、いざ布須神社へ。
はぁ、もうダメかと思ったけど、助けてくれる人が近くにいてよかった。
久しぶりにめっちゃドキドキしたわ。
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