周りの風景が、だんだん変わってきたな。
平坦な道が少なくなり、丘の様なものが目に付くようになる。
「この辺りに生えいている木は、全部オリーブです」
イッサンが教えてくれる。
ほぉ、なるほど。
モロッコのオリーブは、国内やヨーロッパの方にも輸出されているらしい。
そして、2000年前くらいのローマ帝国支配時代から、北部の方はオリーブの生産が盛んだそうだ。
段々畑のようになっているオリーブの木々の間を、バスが走る。
あ!遠くに見える。多分ヴォルビリス遺跡だ。
畑の中に開けた場所が突如現れ、崩れかけの柱などが微かに見える。
坂を下っていき、ヴォルビリス遺跡に到着。
あっつ!
雲一つない、めっちゃいい天気なのは嬉しいけど、赤道直下の太陽が刺すように照っている。
サングラスを掛けて外に出る。
大型のバスが1台、そして小さめのバスやバイクが駐車場に見える。
訪れているお客さんは、やっぱり欧米人が多い。
遺跡内の入り口を通り過ぎ、石の階段を降りていく。
右に曲がると、最初に現れたのは崩れた柱の一部だ。
1776年のリスボン大地震の際に、遺跡がかなり破壊されてしまったとは、アッサンの説明。
その説明を受けながら奥へと進み、資料館のような施設の中へ。
柱の一部や遺跡内で発掘された、ローマ帝国時代の農機具などが展示されている。
「みんなー、ここは巻きで行こうと思うけど、よい?」
伊佐さんが、皆に聞く。
ボクとしては、取材を念入りにしたいところだけど、砂漠のサンセットの時間がある。
やむなしで早足で行った方がいいだろう。
その旨を伝えた所、アッサンはめっちゃ説明したそうな顔。
ごめんよ、皆この資料館よりも先に行きたいみたいだ。
資料館を出て、いよいよ遺跡に接近する。
近くで見るほど、美しい。
柱の感じが、ギリシャのパルテノン神殿に似ている。
遠目から遺跡全体を撮影。
そして、少し進むと現れたのは、当時の邸宅跡の床。
この床はモザイク画のタイルになっており、当時の面影がしっかりと残っている。
当時、ヴォルビリス遺跡には最大で2万人ほどの、ローマ兵などが住んでいたらしい。
この周辺には、家がたくさんあり、大衆浴場もあったそうだ。
そして、さらに奥へと向かう。
ここが、この遺跡の中心か。
神殿の跡というのが、はっきりと分かる。
崩れかけたいくつもの柱と壁。
ここまで来て、ようやく皆の撮影魂が盛り上がってきた。
皆で写真を撮りまくり。
この雰囲気が伝わるいい写真が撮れる。
プロフ写真なんかに使えそうだ。
「みなさーん、そろそろ行きますよー」
かなりの時間、撮影に没頭していたっぽい。
時間があっという間に過ぎていた。
「あ、みんな!最後にここで集合写真撮ろう!」
伊佐さんの提案で、台座に登り集合写真を撮る。
めっちゃ逆行だけど、太陽をバックにすることで、シルエットが格好いい!
この写真好きだなぁ~。
皆の並び、ポージングが絶妙だ。
本当はもっと撮っていたかったけど、後ろ髪を引かれつつ遺跡をあとに。
写真は撮れたけど、結局、それを補足する様なヴォルビリス遺跡の情報は、ほとんど手に入れられなかった。
これ雑誌の記事書けるかなぁ??不安だ。
そんな不安を抱えながら、バスはどんどん遺跡から離れていく。。。
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