半月前に、キツイ登山をしてきたばかりだし、それに比べたらなんという事はない。
このくらいの丘は登れるだろう。
ずんずんと足を前に出す。
下の方はなだらかだけど、次第に傾斜がきつくなってくる。
これは靴なんか履いてたらダメだ。
靴と靴下を脱ぎ、裸足になる。
ふぅ、カメラバッグなど、重い荷物を持っていることもあり、けっこうキツイかも。
中腹を過ぎた所で、息も切れ切れになってくる。
あと少しなんだけど、その少しの距離が遠い。
頂上付近になってくると、一気に傾斜が増す。
登ろうとするのだけど、砂で足が滑って、下にずり落ちて中々上がれない。
ふん!
足を思いっきり砂にめり込ませ、踏ん張りが効くように一歩一歩ゆっくり登る作戦に変更だ。
これはいい感じ。
遅いけど、着実に頂上に近づく。
やっと、頭の高さに頂上が迫る。
よっしゃー!
登頂!
すごい景色だ。めちゃくちゃ気持ちイイ。
今立っている所は、この辺りで一番高い砂丘だ。ホント登ってきた甲斐があったなぁ。
皆はまだ下の方だ。
最初にひろしがやってくる。
続いてみーと伊佐さん。
最後の1mは傾斜が厳しいので、手を引っ張ってあげる。
「そんなトコに立ってないで、皆死のうや」
どゆこと?
すると、みーが砂の上に、両手を広げていきなり寝転ぶ。
「うわぁ、めっちゃ気持ちいい!」
死ぬってそういうことか。
ボクも真似して寝転がってみる。
ホントだ!すごい気持ちいい。砂がひんやりしているのと、包み込まれる感じがする。
はぁ、幸せ。
その後はきっちゃん、まりの。
そしてひーさん、ぷかが順番でやってくる。
あともう一息!がんばれ~。
やったぁ!
みな、無事に登頂。この景色は登ってきただけのことはあるよね。
周りを見渡すと、ボクらとは違うグループが下の方の砂丘で、同じようにサンセットを眺めている。
そして、ちょっと気になったのは、この砂丘にいた先客の方。
欧米の男性が、音楽を聴きながら一人佇んでいる。
邪魔してしまって、すいません。
ボクらやかましいよな。。。
それぞれが、目の前に広がる絶景を、暫く堪能している。
いつのまにか、ポツポツ降っていた雨もあがっていた。
ボクもこの絶景を感じつつ、シャッターを切りまくる。
そして、夕日が地平線に完全に沈んでいってしまった。
あぁ。。なんか悲しい。
ちょっと切ない気分になる。
そんな気分を振り払うように、今度は撮影会が始まる。
砂漠の雄大な景色をバックに、プロフの写真になりそうな素材を皆で撮る。
確かに、こんなバックの写真はレアだよね。
ボクも伊佐さんに撮ってもらい、満足だ。
「そしたら、次にみんなで並んで撮ろう」
皆この時のために、ジュラバを色違いで揃えたんだ。
砂丘の頂上の淵に、みんなで並んで腰かける。
それを伊佐さんが斜めの角度からパシャリ。
段々になっているので、みなの表情がばっちり写ってるね。
この写真、めっちゃいい!
「伊佐さんも一緒に入ろうよ!」
さて、誰が撮るか。。。
「Excuse me…」
どうやら、ターゲットはボクらより先客の、おひとり様の欧米男性になったようだ。
けど、男性は思ったよりもフレンドリーだ。
笑顔でいいよー、とカメラを受け取り、写真を撮ってくれる。
本当にありがたい。
写真を撮ってもらってほどなくして、男性は下に降りて行ってしまった。
お、あれはお月さまじゃないか?
太陽が沈んだ方角の真反対。その地平線から満月が上がってくる。
すご、大きい。
低い位置にある月は、頭上にある月よりも大きく見える。
すごい迫力だ。
けれど、写真だとめっちゃ小さくなってしまうのが悔しい!
こういう月を見ると、なぜか興奮する。
血が湧きたつというか。
本当に好きだなぁ。
「そろそろ下に戻ろうか。日も落ちて暗くなってきたし」
確かに、日が落ちて一気に暗くなってきた。
ラクダの方へ戻った方がよさそうだね。
この記事へのコメントはありません。