サンセット直後は低い位置にあったお月さまも、今は首を少し傾けるところまで昇ってきている。
本当に蒼い月、という感じだ。
淡い光が、降り注いでいる。
と、伊佐さんと比嘉さんが、テントの裏側の砂丘に向かうのが見える。
ボクも上に登ろうかな。
2人を追いかける様に、テント裏に回る。
けっこうキツイ傾斜だ。
さっきサンダルに履き替えておいて、よかった。
おーい!
2人が砂丘の上の方で写真を撮っている。
おぉ、ここいいですね。
2列に並ぶテントがキレイに見える。
ここで寝転ぶの、本当に気持ちいいですね~。
「ねっ!本当に素敵だよね」
テントの方からは、音楽と誰かの話し声が聞こえてくる。
しばらく3人でボーっとする。
何か色々シャットアウトして、空っぽになるっていいね。
空には満月が煌々としているので、火星やカシオペア座など、明るい星しか見えない。
でも月明りだけで、砂丘の陰影が見えるって、すごいことだ。
月ってこんなに明るかったのかと、改めて実感する。
「そろそろ戻ろうか」
そですね。
テントの方へ3人で降りていく。
それでは、また明日ー。おやすみなさーい。
比嘉さんとテントに入り、夜景のタイムラプス撮影の準備をする。
この撮影のために、わざわざ重めの三脚を買い、日本から持ってきたんだよね。
三脚や360°カメラを取り出し、コンセントからカメラのバッテリーを外す。
このテント、コンセントも完備しているのが素晴らしい。
こんな砂漠の中にあって、ホテルとまったく変わらない生活が送れるとは。
それじゃ、ボクは撮影に行ってきますね。
比嘉さんに伝え、テントを出る。
少し肌寒いな。
ガンドーラ一枚で、なんとか寒さをしのげるくらいだ。
機材を持って、砂丘の上へあがる。
焚火の方には何人か人がいるけれど、誰もいない方へと一人向かうのは、けっこう心細いかも。
テントを見下ろせる場所まで、砂丘を登ってきた。
テントも砂丘も入るし、この辺りで撮影するかな。
満月の月明りだけで、三脚の組み立てをしていく。
作業をする時には、この明るさはありがたいけど、星空の撮影には天敵だなぁ。
最後に雲台にカメラを固定し、収める風景を決める。
月と逆方向の砂丘を撮ってみようかな。
ライブビューモードにして、一番明るい星をズーム。
ピントを合わせて、一枚試し撮りしてみる。
設定はISO2000、シャッタースピードを15秒。
シャッターボタンを押す。
長く感じる15秒。
砂丘の下から吹き上げてくる風の音と、別のテント群から聞こえてくる音楽だけが耳に届く。
カシャ。
撮れたかな。
モニターを確認しよう。
うわぁぁ、ダメだーー。
完全に白飛びしちゃってる。
やっぱり満月の光はすごいな。。。
新月の時の星空の写真撮影では、ISOを6400で撮影することもある。
2000でも明るすぎとは。
今度は設定を変えて撮ってみよう。
ISOを1200→800、シャッタースピードも10秒→8秒と変えて、ようやく明るすぎず暗すぎない、いい塩梅の画が撮れた。
しかし、星はほとんど写らないな。
月明りで弱い星はつぶれてしまう。大きい星
よし、それじゃこれでインターバル撮影しよ。
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