Travel Diary

モロッコ オレンジに輝く夕暮れのマラケシュ

いつの間にかアトラス山脈を降り、平坦な道を進んでいる。
周りの景色も、アトラスの向こう側とは異なり、緑が多くなってきている印象だ。

そして、街の雰囲気が濃くなってきている。
街の中心に近くなってきたかな。
この数日のモロッコ滞在で、バスで何度か街に入る体験をして、何となく分かってきた。

日がだいぶ傾き、そろそろ夜になろうかという時間帯になってしまった。
本当はマラケシュでのバラ園や宮殿の散策時間があったのだが、元々遅れていた予定と、山で足止めをくらっていたため全部吹っ飛んでしまったよ。
マラケシュの新市街をじっくり見られるのは、今日の夕方くらいだったのになぁ。

沈んでゆく夕日が、マラケシュの街をオレンジに染めていく。
「マラケシュの夕日はほんとうにキレイで有名ですよ~」
イッサンが車内にアナウンスしてくれる。

その一言で、眠っていた人達もぼちぼち起き出したようだ。
想像していたよりも、綺麗だし栄えているなぁ。
この数日南部の埃っぽい街ばかりだったせいか、マラケシュの街がすごい洗練されたものに見える。

街の中心部は、夕方ということもあり車の交通量がかなり多い。
若干渋滞気味だ。

「それでは夕ご飯頂きましょうね~」
ほとんどバスの中だったけど、お腹へったー。
今日の夕食は何かな?

と、イッサンがモダンなお店に入って行く。
え?ここ??
これまでのモロッコ感が全面に出ていたお店とは異なり、雰囲気のいいバー的な感じだ。
入り口付近はライトや電飾が付いていて、ちょっとオシャレじゃないか。

店内はライトが抑えられていて、少し暗い雰囲気を演出している。
そして、広いお店の中にはポツポツとお客さん。
モロッコ人というよりは、アジア系とアフリカ系の黒人が多いみたいだ。

ボクら用にテーブルを繋げてくれたみたい。
10人で座る。

「ここのお店はお酒を頼めるみたいよ」
お、モロッコに来てお酒を頼めるレストランは初めてじゃないか?
まあ、ボクは飲めないので、ここでもオレンジジュースをオーダーしよう。

「あと、メインはピザかパスタを選べるらしい」
やったー!
モロッコに来て、初めてのイタリアン!
さすがにモロッカンパンやタジン鍋に飽きてきた頃だったので、めっちゃ嬉しい。

久しぶりのイタリアン。
モロッコに来る前はフィリピンだったし、ようやく口慣れたものを食べられる♪

注文を終え、しばし待ちの時間。みんな移動の疲れもピークだ。
何とはなしに、窓から外を眺める。

ん?日本人の観光客がいる。
しかも複数人。

あ!トドラ峡谷のランチで会った、伊佐さんファンの方だ。
彼女らも今日のディナーはこのレストランなんだ。

同じ旅工房さんが組んだプランなので、同じ場所に行くのは当然か。
そして、多分彼女らは明日でモロッコを立つはず。ボクらよりも2日間短いからね。
今は最後の晩餐中という感じか。

外の席も中々いい雰囲気だね。

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