聖なる水の湧くティルタ・ウンプル寺院をあとにする。
「次はゴア・ガジャ行きますね」
はい、お願いします。
陽が少し傾いてきたけれど、車に乗るとやっぱり眠くなってくるね。
車に30分ほど揺られると、どうやらゴア・ガジャに到着したみたいだ。
車を降りて先に進む。
駐車場のすぐ近くには、主に雑貨を取り扱っているお土産屋さんが軒を連ねている。
ただ、お店の人はやる気ない感じで、座ったままだ。
すると、下に下にと伸びる階段が現れる。
ジュウさんと一緒に階段を下りていくと、ものすごい高さのガジュマルの木が見えてきた。
なに?
あのお化けガジュマル?!
ピンと幹が上に伸びており、すごいパワーを感じる。
下に降りると、目の前は沐浴場。
かなり小さいというのと、特徴的なのは地中深い場所にある、ということだ。
今ボクが立っている場所が、そもそも地上からかなり降りたところだけど、沐浴場はさらに10mくらい深い場所にある。
そして辺りを見回して思ったのだけど、ゴア・ガジャは寺院ではない。
お寺らしきものが、この敷地内にないのだ。
さらに進むと、大きな口を開いた洞窟の前でジュウさんが止まる。
洞窟入り口には石による装飾がされていて、人が口を開けているかのようだ。
「ゴア・ガジャは”象の洞窟”、という意味です」
象の洞窟?なんでだろ?
「この入り口が、象のように見えるからです」
んー、ボクには人に見えるのだけど、まあ人によって見え方は違うか。。。
「では、中に入ってみましょうか」
はーい。
人の背丈ほどの穴から、中に入る。
うっ、ひんやり涼しいのかと思ったら、けっこう蒸している。
歩いていると、汗をかきそうだ。
人2人がすれ違えるくらいの幅の中を進むと、横の壁に深い窪みが空いている。
「この穴はお坊さんが瞑想をする場所、と言われています」
ほぉ。瞑想するには高さが足りない気がするのだけど、寝っ転がったらできるかな。
もっと奥へ進むと突き当りになり、道が左右にT字型に分かれている。
左、正面、右とそれぞれにお供え物がされており、ブラフマンや三位一体の神様が祀られているようだ。
はぁ、暑い。
そろそろ出ません?
ジュウさんを促し、洞窟の外へ。
はぁ、涼しい。
じわじわと出ていた汗が、外の空気で冷やされる。
「ゴア・ガジャはなんのために作られたか、よく分かっていない遺跡なんですよ」
え?そうなんだ。
けっこうしっかり残っているから、どんな用途で使っていたかとか、分かっているものだと思ってたよ。
そもそも地中に埋まっていたらしいけど、忘れ去られてしまったものは、現代に伝わりにくいものなんだね。
なんて話をしつつ、ボクは周りの景色の写真を撮る。
ジュウさんは観光に来ていた他の人の写真を撮ってあげている。えらいなぁ。
ゴア・ガジャをあとにし、次に訪れたのはよく分からない寺院。
車で10分ほどの距離にある「ブッダテンプル」だ。
ここも地下に広がっている空間があるのだけど、お庭っぽくなっている。
途中に池や小さめの滝があり、奥の方にこじんまりした寺院が。
寺院の前には、熱心にお祈りを捧げている人が。
邪魔をするのも悪いので、静かに引き返そう。
下からこの空間を見上げた景色が素晴らしい。
地下に広がっているので、陽の光はあまり届かないところが、神秘的な要素を一層高めている。
さて。上でジュウさんが待っている。
そろそろ戻ろうか。
ジュウさんと合流し、また車に乗る。
次はいよいよウブドだ。
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