Travel Diary

日本 北海道 マッコウクジラの潜水する優雅な尾ひれ

クジラを見れたのは良いけど、あまりにも遠くてよく見えなかった。
クジラを探しに、船が再び洋上を彷徨いだす。

いったんやんでいた雨も、また降りだしてきたよ。
そして、とてつもない眠気が襲ってくる。

夜あまり眠れなかったのと、乗船前に飲んだ酔い止めの薬のせいかな。
船酔いには強い方だけど、念のため飲んだことが裏目に出た。

クジラが見つかるまで、ちょっと寝よう。

。。。
。。。。。。

ふぅ、15分くらい寝ていたかな。
まさか船の上で眠るとは思いもしなかった。

小雨程度の雨が降り続く中、船はクジラを探して羅臼沖をぐるぐる回る。

「先導船からクジラ発見の連絡があったので、そっちに行きますね」
船が方向を変えて、加速する。

「あ、いました。前方にクジラの背中と潮が見えますね」
船のスタッフさんの言う通り、クジラが見えてくる。

しかし、まだ遠い。

「今度はまだ日本側にいるので、近づけるところまで近づきますね」
さらにクジラとの距離が詰まってくる。

おぉ、さっきよりもだいぶ近いぞ。

クジラが逃げないギリギリの距離なのだろう。
100m~150mくらいまで寄っている。

「マッコウクジラは顔の口の部分が長い種類のクジラです。皆さんイメージするクジラは背中の部分から潮を吹くと思いますが、マッコウクジラは口の方、身体の先端付近から斜めに向かって潮が上がるのが特徴ですね」

なるほど。
斜めに上がるので、遠くからだと少し認識しずらいのか。

もう一艘近くに船がついており、総勢100人くらいでクジラの鑑賞。
こんなに間近で野生のクジラを見られるなんて、そう滅多にないので興奮するなぁ。

クジラがひと際大きな潮を上げる。

「あ、皆さん、クジラがそろそろ海に潜っていきますよ。尾ひれを見られるチャンスですね」

お、来た!
カメラを構え、尾ひれが水中に入って行く姿を狙う。



すごい、テレビで見たことのある光景が目の前に広がっている。
しなる尾ひれが水面から姿を現し、カーブを描いて再び水中へ消えてしまった。

いやー、感動の光景だ。
クジラは下を向いた垂直の姿勢で、海中に潜っていったのだろう。

いったん潜ると、呼吸が続くまで約40分くらいは上がってこない。
出航してからかなり時間も経っているし、今回のクルーズツアーはこれで終わりだ。

「最後に近くで見られてよかったですね。それでは、これから港に戻ります」

船は一転して羅臼方面へ戻っていく。
ツアーの最後になって、ようやく雨が上がってきた。

足の方はけっこうずぶ濡れだな。
気温も低くてかなり寒い。

まあ船が出ただけでも幸いか。
しかもクジラもある程度近くで見られたし。

途中、再びイシイルカに出会い、船が港に戻る。

はぁ、楽しかった♪

やっぱり、生き物を間近で見られる体験は特別だ。
普段都会で暮らしていると、野生の生物なんて見られないからね。

野生生物の行動って、本能に基づいているものがほとんどだと思う。
その行動を見ていると、どんなことを考えているのか、狙っているのか見えてくるのが面白いんだよね。

陸に上がり車へ。
次の目的地へ出発だ。

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