はぁ、砂丘めっちゃいい!
この景色は本当に好きになってしまった。
そろそろラクダの方に戻る時間。
後ろ髪を引かれるけど、しょうがない。。。
そうだ、ちょっと試したいことがあるんだった。
富士山に須走っていう箇所がある。砂が積もったその斜面は、下山時には皆落ちる様に走るスポット。
地面が砂でふかふかだからできる、上級芸だ。
それを、この砂丘の斜面でやりたいんだよね。
もし転んでも、砂だから痛くないし。
それじゃ、行くぜ。
おりゃーー。
転がってしまう寸前くらいの勢いで、一気に下って行く。
先に降りていた人たちを、あっという間に抜き去り、一瞬で砂丘の下に到着。
ふぅ、足にけっこう負担が掛かるけど、めっちゃ気持ちよかったー♪
すごい開放された気分。
皆下まで降りてきて、再びラクダに乗る。
またよろしくね、ラクダちゃん。
てか、この子たち、ボクらが砂丘ではしゃいでいる間、ずっとここで待っていたのか。
ラクダの列は、砂丘をゆっくりとさらに下っていく。
やっぱ、この高い目線は一味違う景色だ。
「きゃあぁぁ」
列の後ろから、突然大きな悲鳴が聞こえてくる。
え?どうしたん?
ボクは一番前なので、状況を確認するために後ろを振り返る。
と、4番目のラクダちゃんが、かなり暴れている。
そのラクダに乗っているのは、ひめのようだ。
かなり大きな声なので、ラクダも刺激されて、さらに大きく暴れる。
「落ち着いてください!大きな声出すと、ラクダももっとびっくりしてしまいます」
イッサンが落ち着かせるように優しく注意をしてくれるが、ひめの方はそれどころじゃないみたいだ。
なかなかラクダが落ち着かないので、インストラクターが近寄り、落ち着かせようとする。
少し暴れたが、ようやく静かになった。
とりあえず、ひめが振り落とされないでよかった。
かなり激しく暴れていたから、ホント危なかったよ。
キャラバンは平静を取り戻して、暗くなっていく砂漠の中を進んで行く。
ふと、よく分からない感情が、急に溢れてきた。
うわっ、なんだろうコレ。
胸の内からグッと湧いてきて、頭の方に上ってくる。
すると、その感情は限界を迎え、目から零れ落ちる。
涙だ。
じっくりこの感情を味わってみると、これが幸せなんだと思うことができた。
びっくりだ。
こんな風に感じ切ることなんて、本当にめったにない。
前回こんな感情を味わったのはいつだろう、と思い出せないくらいだ。
この特殊な空間が、ボクに感じ切ることを思い出させてくれた。
この悠久を表した絶景のなかで、ラクダに乗って幸せを感じている。
この瞬間が本当に奇跡みたいだ。
この旅や、旅の仲間に改めて感謝。本当にありがとう。
お、前方に明かりだ。
テントの様なものが、2列になって20個ほど連なっているのが見える。
ボクたちは、どうやらあそこに向かっているらしい。
「はい、到着で~す」
テントの列の前で、ラクダから降りる。
近くで見ると、1つのテント村みたい。こんな光景は見たことがないから、別の世界に迷い込んだかのようだ。
2列のテントの間には絨毯が敷いてあり、中心に焚火。
テント前は、カラフルなランタンによって、薄っすら明かるい。
幻想的な風景でテンションがあがる♪
焚火の前にはテーブルやベンチがあり、このテントに泊まると思われる他のグループの人たちが、静かに過ごしている。
そして、中央の最奥には、ひと際大きなテント。
そのテントの前には、ボクらのスーツケースがすでに運ばれている。
そして、部屋割りだ。
今日は比嘉さんと同じテントで、ボクらのテントは、奥から3番目。
それじゃ、行きましょうか。
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