「そうしたら、ちょうど時間できたしレタッチ講座しようか」
おぉ、伊佐さんのステキな提案!
伊佐さんが普段どんなレタッチをしているのか、興味があったんだよねー。
以前、tabippoの講座の時に、「VSCO」というアプリを使ってるって言っていた。
それ以来、ボクもたまーにVSCOを使うけど、課金をしていないので使える機能が限られていて利用頻度は低いかな。
「私は基本的に、色相を若干青めにしてるんだよねー。あとは彩度を少し上げたり………」
なるほど、なるほど。
伊佐さんのレタッチ基本設定が何となく分かった。
キレイな写真のあの色彩は、こんな風にしてできていたのか。
レタッチって難しい。
けっこう自分のポリシーとも関わってくるものだ。
ボクは激しめのレタッチは見る分にはいいけど、やるのには否定的だ。
というのも、なるべく見たままの景色を表現したいから。
レタッチがキツイと、それは見た景色ではなく見たい景色になってしまう。
そこを取り違えてしまうことになるのが、怖いというか、イヤなんだよね。
でも、写真のレタッチは、やらないよりはやった方が確実にいい。
写真が整ってキレイになるのは、見てくれる人もボクもテンションが上がる。
けれども、自分のサイトやwebメディアでは、そんなの気にせずがっつりレタッチする時もある。
そこのメリハリは付けるように、これからもレタッチを楽しもうかな。
これは人によって考え方・ポリシーが全然違ってくるから、何が良い・悪いということはない話だ。
ホント、人それぞれの好みによる。あとは媒体によっても違ってくるのかな。
雑誌だと、いくぶん自然な見た目のレタッチの方が、読者に好まれるかもしれない。
一方、SNSをはじめとするWEB媒体だと、現実感から少し離れた、色彩豊かなレタッチの方が好まれる傾向がある。
そこら辺も意識して使い分けることもあるから、レタッチの基準は様々だ。
伊佐さんがけっこう長く時間を取って、レタッチスキルを伝授してくれる。
ボクもだけど、皆も目からうろこみたいな感じで、感心しているみたいだ。
大体話し終わった時には、30分以上が経過していた。
聞き終わった皆は、自分のスマホでさっそくレタッチを試している。
ボクもちょっと試してみようかな。
スマホには一眼で撮った写真は入れていないから、スマホで撮った写真で試す。
なるほど。
色相を少し青色に倒すと、写真がすっきり見えるね。青空とか海は、さらにキレイな青になって映えそうだ。
肌の色も透き通る見た目になるけど、やりすぎると顔色悪く見えるので要注意。
バスが停まって、そろそろ一時間半。
窓の外を見ると、ようやく動きがあったようだ。
渋滞の前の方に歩いて行っていた人たちが、慌ててこちらに戻ってきている。
「あ、前の方車が動き始めた!」
おー、ホントだ。ようやく開通か。この一時間半は、この後のマラケシュ観光にかなり影響が出てくるぞ。
再びバスがゆっくりと進み始める。
曲がりくねった道の先では、列をなしている車が蛇のようだ。
しばらく進むと発破ポイントのようなところを通り過ぎる。
すぐに通り過ぎてしまったのでよく見えなかったが、奥の方を爆破したのだろう。
山を削って、新しいルートを作っているのかもしれない。
そして、進こと約1時間。
アトラスの一番の峠は越えただろう。ようやくトイレ休憩だ。
渋滞で待っていた他の車やバスも、同じレストランに休憩に入っているので、駐車場はかなりの混雑。
しかし、このレストラン、中々素晴らしい眺望だ。
お店の前に遮るものがないので、アトラス中腹からの絶景を楽しむことができる。
高い場所ということと、谷から吹き上げてくる風で、いくぶん涼しい。
ふぅ、気持ちいいな。頭もシャキッとしてくる。
「みなさーん、それじゃ行きますよー」
皆揃ったみたいだ。
ここからマラケシュまでは、また一時間半くらいは掛かるらしい。
イッサン、運転よろしく。
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