ふぅ、本当に満たされた朝食だった。
これほど満足度の高い朝食も中々ない。
一旦部屋に戻り、出かける準備を進める。
今日はバリ島の東北部まで行く、チャーターツアーを申し込んである。
帰ってきて記事を書くので、その元ネタとなる写真やお話を仕込まないとな。
出発は10時。
ツアーの人がホテルまで迎えに来てくれる手はずだ。
10時前に、ロビーへ行く。
っと、ロビーにはすでにガイドさんと思しき人が。
Hello.
「こんにちは、ジュウウェンと言います。今日はよろしくお願いします」
こちらこそ、お願いします。
「ジュウ、と呼んでください」
ジュウさん、よろしくお願いします。
「では、さっそく行きましょう」
ホテルの駐車場に停めてある、ミニバンに乗る。
「バリ島には、色々なお祭りがありますね。今日は鉄のもののお祭りです」
え?鉄のもの??
「はい。車やバイク、包丁などの刃物などに感謝をするお祭りですね」
へぇ!そんなお祭りがあるんだ。面白い。
「このお供えものは朝早く奥さんが用意してくれました」
といって、ジュウさんが運転席のハンドルの前にあるお供え物を見せてくれる。
なるほど。
藁でつくったお皿の様なものに、穀物っぽいものが入れてある。
それが独特な、お香の様な香りを出しているのだ。
あっ、あの飾りもお祭り用?
前から来るタクシーや乗用車には、フロント部分に藁で作った飾りがしてある。
けっこう多くの車に飾りがしてあるので、本当に島民の多くがお祭りごとを大切にしているというのが伝わってくる。
「今日はどんな場所へ行きますか?」
あれ?それをボクに聞く?
今日はブサキ寺院とキンタマーニ高原、あとはティルタ・ウンプル寺院とかゴア・ガジャですね。
あ、あとはウブドも。
「そうですね。まず最初はブサキ寺院ですね」
ジュウさんがスマホで予定を確認しながら、こちらにも確認してくる。
そういえば、噴火の影響は大丈夫ですか?
「昨日噴火ありました。小さいですけど」
やっぱりあったんだ。閉鎖にはなっていないですか?
「ブサキ寺院は観光地なので、政府も寺院もはっきり閉鎖とは言わないです」
なるほど。
下手に閉鎖してしまうと、観光で得られるお金が得られなくなってしまうからね。
その辺を考慮して、本当に危険な場合以外は閉鎖しないのだろう。
ジュウさんは日本語をどうやって学んだんですか?
「私は日本語学校でならいました」
やっぱりそうなんだ。昨日のパドゥルさんも、日本語学校で習ったって言ってた。
「学校は今通っているデンパサールにあったんですよ」
へぇ。
このデンパサール中心地は、とても発展している。
ファストフードのお店が多く、日本でもよく見るお店があちこちに建っている。
そしてデンパサールの街を抜け、島の東海岸沿いの大通りを北上していく。
途中ガソリンスタンドで給油しつつ、2時間ほどかけてようやくブサキ寺院の敷地内へ。
入場ゲートで入場料を、ジュウさんが支払ってくれる。
今回のツアー代金の中に、入場料も含まれているのはありがたいね。
と、入場チケットと一緒にマスクを渡されるジュウさん。
なるほど。マスクを着用しなければいけないくらい、火山灰が舞っているのか。。。
こういうことで、改めて噴火が身近な火山の近くへ行く、ということの実感がわく。
駐車場に車を停め、山の上の方へ続く大きな道を歩く。
と、ジュウさんが道の脇の小さい小屋の方へ。
布を手に取り、ボクの腰に巻いてくれた。
どうやら寺院にお参りする時には、こういった腰布を着用するのが礼儀らしい。
ありがとう。
しかし、けっこう急な斜面だ。
それもそのはず。ブサキ寺院はアグン山の中腹に建てられている。
そこに向かっているのだから、登り道になるのは必然か。
5.600mは進んで来ただろうか。
火山灰が薄く広がっている道路を登り、ようやく寺院の入り口らしきものが見えてきた。
バリ島でもっとも格が高いとされているブサキ寺院。
どんなお寺なのだろうか。
この記事へのコメントはありません。