部屋に戻り、歯磨きを済ます。
パッキングはもう終わっているので、あとはロビーに向かうだけだ。
ひろしと共にロビーへ降りる。
まだ半分くらいしか集まっていないかな。
そうだ。
1階のテラスからはまだ写真撮ってなかったな。
皆が車で撮影していよう。
テラスに降りると、目の前にはフェズの街。
近いからか、3階から見るよりも迫力あるな。そして、手前に城壁も見える。
いくらか高くなった太陽に照らされる、フェズの街を撮る。
そろそろ皆の所に戻るかな。
ほぼ皆集まっているけど、肝心の伊佐さんがまだっぽい。
まだご飯食べてるのかな?
「みなさーん、おはようございまーす!」
イッサンとアッサンが迎えにくる。
おはよう。
暫くして、伊佐さんも合流し、チェックアウト完了!
それじゃ、砂漠に向けて行きますか。
フェズは駆け足で消化不良気味。もう少しじっくりと味わいたかったなぁ。
今日の道のりも、かなり大変な感じになりそうだ。
なぜなら、モロッコを南北に分ける、アトラス山脈を越えなければならないからだ。
アトラスは3,4000m級の山々が連なるので、かなりの距離を上り下りする。
道も曲がりくねっているので、車酔いする人も出てくるだろうな。
フェズを抜けて、しばらくは平たんな道が続く。
昨日遅かったこともあり、車内は静かだ。
そして、バス内の席順も決まってきた感がある。
ようは酔いに強い人たちが、後ろの方という席順だ。
一番後ろはボクとひめ。
その前は比嘉さんときっちゃんだ。
後ろの方は席が広めでいいのだけど、冷房が届きにくいという大きな欠点がある。
時間が経ってくると、冷房も弱めにしてしまうので、後ろの席はかなり蒸し暑くなってしまうんだ。
あれ?これまでの砂色をした景色とは、まったく異なる風景。
緑の木々が道路の脇に植えられ、トンネルを作っている。
バスが右に折れ、華やかな雰囲気のスポットへ。
駐車場がいっぱいになる程、たくさんの観光客が訪れているみたいだ。
バスを降りると、少し涼しさを感じ、清々しい空気を味わう。
あー、気持ちイイ!
モロッコにこんな場所があったんだ。
ここイフレンは、フランス統治時代の建物が残っている。
なので、家々は木組みでカラフル、そして屋根がとんがっているのだ。
その理由は、この街の冬。
標高が高いため、この一帯は冬になると雪が降る。
雪が屋根に溜まらないように、急な角度になっているそうだ。
ん、なに?
どうやらトイレの前に、皆で記念撮影をするみたいだ。
このパーキングの前に建てられた、ライオンの銅像の前で。
ここに訪れている観光客は、欧米人が多い。
欧米人が列をなしているので、その列に並び皆で撮る。
なんでこの銅像の前なのかよく分からないけど、撮れたからいいか。
しかし、ここだけ違う国に来たようだ。
木々から漏れる日差しがキレイで、何気ない風景の写真がとても絵になる。
さて、急いでトイレに行かないと、またイッサンに怒られてしまう。
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